2021.04.12

広報しろたまり その5 職人の意地 醸造編

碧南発祥の白醤油原点回帰を目指し、本来の材料を探し求めることは、いろいろな人との出会いから勉強させていただける、私にとっては楽しい仕事だった。

一方で、職人の先代は、最高の白醤油を求めてコツコツ地道な醸造の工夫を続けていく。色をうすくしながら旨味があり塩角の無い白醤油の実現をめざして。

まず、麹と掛水の比率を代えて濃い仕込にすることで、旨味を増し塩角をとろうと考えました。通常の白醤油の仕込は、麹1に対して掛水(塩水)が2、1対2の比率で仕込みますが、思い切って掛水を半分にして1対1にすることで、濃厚な味わいを得ようとしたのです。小さな桶で実験した結果、味としてはイメージに近くなりました。旨味が増し小麦麹の自然な甘みも強まり、塩角を感じにくくなったのです。

でもダメでした、色が明らかに濃くなってしまった。
考えれば当然で、仕込全体を濃くしたので、味と一緒に色も濃くなったのです。

で、次に考えたのが大豆を止めて小麦100%麹にすること、大豆由来の着色を完全に排除し、なおかつ掛水を半分にして濃厚な仕込をすることで、小麦麹を従来の2倍使うことになり、大豆の代わりに小麦由来の旨味を活かした味にしようとしました。これが、しろたまりの考え方です。

碧南の仕込蔵で仕込をはじめ、平成5年に「三河しろたまり」と名付けて販売をスタート、名付け親は先代です。溜醤油のような濃い仕込をすることと、地元の古い文献で白醤油の別称として「しろたまり」という名前を見つけたのがその理由でした。

その後平成11年からは、美味しい仕込水と冷涼な環境を求めて足助の山中に仕込蔵を移転、「足助仕込三河しろたまり」として再スタート。
が、その2年後、農水省から表示違反を指摘されてしまいます。

話がきな臭くなってきましたが、続きは次回に。

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