2021.04.05

広報しろたまり その2 たまりと白はセット

しろたまりは、先代の最高の白醤油を目指す試行錯誤から生まれました。
碧南発祥の白醤油本来の材料(地元産小麦、塩田の塩、井戸水)に戻しながら、色がうすくてももっと旨味のある白醤油を追求した結果です。やりすぎて大豆不使用になったため、法的に醤油から外れてしまいましたが。笑
(この辺りは改めてまた詳しく)

そもそも、なぜ白醤油が碧南で生まれたのか。
ここからは私の勝手な想像も含みますが、的外れではないと自分では思っていますので、お心広くお聴きください。

三河と尾張およびその周辺、つまり今の愛知県と、岐阜県南部、三重県東部地域は、古くは醤油といえばたまり、溜醤油文化圏でした。
(現在では濃口醤油が主流になり、たまりはお刺身用など限定的になりましたが)

たまりは豆味噌の桶に溜まった醤油が原点ですから、豆味噌地域イコール溜醤油文化圏のはずです。
で、この地域はそのまま白醬油文化圏でもあるのです。

なぜか、それは、たまりと白、この両極の醤油は使い分け上のセットだから~!!!
(チコちゃん風で)

たまりは美味しい醤油です。でも色は真っ黒!
だから色をつけたくない料理には使えない。
色のつかない醤油があったら・・・

そんな状況の中、小麦で仕込んだ金山寺味噌の桶に溜まった上澄みが、色がうすいのに美味しい風味があって、こいつは使えるぜ!となり白醤油が誕生しました。見てきたようなことを言いますが、これは業界の通説になっていて、今から200年ほど前に内藤さんという方が碧南ではじめて白醤油作りを始めたと言われています。

以来、主に板前さん用の醤油として白醤油はつくられてきました。板前さんが料理によってたまりと白を使い分けるようになったのです。
ということで、たまりと白はセットの醤油なんですよ。
似た者どうしじゃなくて、正反対どうしのセット、面白いでしょ。

愛知県武豊町にある豆味噌と溜の南蔵商店様