2021.04.07
広報しろたまり その3 職人の意地
学生を終わってから2年間外飯を食べさせてもらって、醤油屋に帰りました。
当時のうちの工場規模感は今の半分くらいかな。
もともと子供のころは工場の中に一家で住んでいたので、身体にしみ込んだ白醤油の匂い、帰ってきたなぁと懐かしかったですね。
各部署をひと通り学んで、それからトラックで配送に出てお客さまの勉強、日野の4.5トンはなかなかのサイズで、運転席が高くて見やすいし、ハンドルがやたらデカかったなぁ。このころはエアコンなんて無かったから、夏は痩せたぜ。笑
それから担当をもらって営業に出たんだけど、ふと気づくと社長はよく蔵に入って何かゴソゴソしてた。
あるとき、何してるの?と聞くと、ニヤッと嬉しそう。笑
これはな、特別なやつだ。まだ試作中だけどな。
白醤油は、あらゆる工夫で色をうすくしています。
麹原料はほとんど小麦で大豆はごくわずかにして大豆由来の色の濃さを減らし、醸造期間も極端に短くすることで着色を抑えます。
でもそのせいで大豆由来のアミノ酸系の旨味が少なく、着色抑制のために塩分も高いので塩味を感じやすいんです。
この弱点を板前さんからよく指摘されていました。色がうすいのはいいが、もう少し塩角を取れないのかと。
先代の取り組みは、碧南発祥の白醤油本来の原材料に戻しながら、色がうすくて旨味の多い白醤油という相反する問題の解決で、営業畑の私にも、この取り組みの難しさと遣り甲斐はすぐにわかりました。
さてさて、この先のお話は、また後日。笑
(写真は生後間もない私と先代)